映画というよりコラージュ -仏映画 グッバイ、ゴダール-

フランス映画と聞くと、アンニュイでナルシズム、カラフルでオチがなくて難解というイメージがあります。(注: 超個人的イメージ)

アメリも底抜けに明るくカラフルでポップだけど、そういった映画は例外なような。

また最強の二人というスーパーハッピーエンドヒューマントマラマの大ヒット映画もありましたね。

今回試写会で見たのは

グッバイ、ゴダール

フランスの映画の巨匠 ジャンリュックゴダールの2番目の奥さんの自伝小説をもとにした映画です。

『グッバイ、レーニン』(ベルリンの壁崩壊直後のある家族を描いた映画)的な名前ですが、ジャンルは全然違います。

シニカルだけど愛情があるコメディに対して、こじらせ度 MAXのゴダールとその周りの世界を描いた映画です

映画の構成がチャプターのようになっていて確か9個のチャプターで成り立っています

映像表現もいろんな手法がコラージュのように織り成され、

ドラえもんのエンディングのような丸ーく画面が切り取られるシーンとか

無声映画のようになったり、

急に色がモノクロに反転したり、

カメラ目線で登場人物が語ったり、

クスリとくる要素が入ったりと

相関性のない手法が次から次へと投入されています

フランス映画のイメージどおりファッションやポップでカラフルだけど、それより目につくのが主人公ゴダールのめんどくささ。

サ行の発音が苦手なようで、彼の話す少し耳に障る発音がそのこじらせ感を助長します。

学生運動を経験していない世代なので、この物語の時代背景になっているパリ学生運動もあまりしっくり来ず、

ただただ主人公の粘着質なダメ男ぶりに少々のストレスすら感じ始めたあたりでエンディング

ストーリーと関係ないですが途中、チキンを美味しそうに手で頬張るシーンがあり、お腹が空いていたのかそのシーンだけやけに印象深い

ちなみに原題は LE DOUTABLE

Redoubtable とは恐るべき、手強いと言う意味で、意訳するなら “手に負えない” かと。

ならば、

グッバイ、ゴダールじゃなくて

手に負えない男(ヤツ)

というタイトルでどうでしょうか?

ストーリーより、映像手法を学びたい人にオススメかも!

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