宣伝会議の主催する インタネットマーケティングフォーラム2019に参加してきました。

 

なかでも、熱量にあふれた飯尾醸造さんのプレゼンテーションが素晴らしかったのでシェアします。

 

―――宣伝会議HPより引用――――――

広告宣伝費ゼロ、ビジョンと体験から生まれるファンコミュニティ

~小さなお酢屋がモテるワケ~

飯尾 彰浩 株式会社飯尾醸造 五代目当主

https://www.event-forum.jp/sendenkaigi/net-mc/2019/seminar.asp

 

講演内容

新規を追わずに、個人通販比率23%にまで伸ばした【京都・宮津 】飯尾醸造の楽しみながらお客様と繋がる方法。

広告宣伝費ゼロ、 営業マンゼロ、 ECモール出店ゼロ。日本で唯一、米作り、酒造り、酢造りを一貫生産するお酢屋は、いかにしてモテるお酢屋になったのか?

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日本コカ・コーラで働いた経験を活かし、実家の醸造所ではコカ・コーラの真逆を行く企業戦略を続けて約15年。

巨大飲料企業から家族経営の醸造所へ。小さくても強いを目指した経営では新規顧客開拓ではなく、既存のお客様をいかに大切にするかという「共感・信頼・愛着」を追求した経営でした。

 

ビジネスを遂行するにあたり、様々なステークホルダーがいますが、お客様・社員そして生産者を最優先で考え、

ECモールや催事場の出品、プッシュ型の広告は一切やらない。

 

とにかく飯尾醸造のお酢を買ってくれるお客様に、また買ってもらえるようなカスタマージャーニーの設計、

社員には自社商品を無料で使ってもらい、家でもお酢の可能性や他の調味料を試すきっかけとして提供。

契約農家には農協の3倍の価格で買うことで、農家にも利益を還元。

 

そしてお客様、社員、生産者に対して1)商品、2)体験、3)ビジョン のカテゴリーでとことん突き詰める。

そのことで口コミで新しいお客様が増えたり、でも昔から買っているお客様もずっと愛顧して使ってくれる。

 

風呂敷を広げすぎないことでとことんステークホルダーと向き合う姿勢そのものがブランドのDNAである。

DNAを1)商品、2)体験、3)ビジョン として飯尾氏がプレゼン語ってくれました。

 

1)商品 :お客様と相互につながり続ける、とことん。

3つの50という強みが飯尾醸造にはあります。

 50年前から無農薬

 50倍の原材料費(大手と比較して)

 50倍の時間をかけてじっくりと造る

 

この大手ではできない、小さいからこそできる品質とこだわりを、お客様にもきちんと伝えることを大切にしています。

そのメッセージを伝えるプラットフォームとして自社のホームページを丁寧に更新していく。

新商品の情報だけでなく、季節にあった旬の食材とのレシピ、醸造所のことを綴ったブログ。

一つ一つの記事は200-300PVしかなかったとしても、それをほぼ毎日のように更新していくと、

それが買ってくれるお客様の楽しみになったり、ブランドの愛着・信頼へと繋がっていく。

 

よくある醸造所見学も、個人しか受け付けず大手のツアーやイベントは断り、徹底的にカスタマージャーニーを設計していきます。

醸造所の弱みも時にはお客様に包み隠さず伝えるそうです。

 

例えば、農協の価格の3倍で買い取っている契約農家のお米(お酢の原料)。 事業規模を広げないので、買い取れる額も上限があり、農家が作ったお米をお酢の原料としては買い取り切れないことも。

農家の人は、売り切れなかった分を農協に売ることもできますがそうしたら利益が3分の1に。そんなときは、常連のお客様に背景を伝え、「お酢の原料のお米ですが、我々では原料として買い取れません。農薬も使っていないとてもいい品質の特別米なので買ってくれませんか?」と素直に、真摯に頼み込む。その結果、お米は直ぐに注文でいっぱいになり、無事農家と約束した量を買い取ることができ、農家も利益を守ることができた、ということがあったそうです。

 

2)体験:カスタマージャーニーも工夫を加えた体験会で絆をもつ

日本のどの地域でも課題になっている農業従事者の高齢化。飯尾醸造でも同じ課題があり、何とか自分たちでも景観保全のためにも作農したい。

ただ、棚田でお米を無農薬で作るのは非常に難しくまた、少数経営のため人でも全然足りない。

 

ならば、お客様にも体験会として稲刈りや田植えを経験してもらおう。そして、ただの体験会ではなく地域ならではの工夫やエンタメ性を加えることで楽しんで、そして末永くファンになってもらう。

例えば、

作業している姿をプロのカメラマンや、醸造所のカメラ好きのメンバーが写真を撮ることで形に残る思い出に(家族や友人などグループで参加するが農作業は手が汚れるので写真を撮る余裕がないことに着目)

都心では手に入らない地元の食材をふんだんに使い、丁寧に時間をかけて仕込んだ地元のお弁当

作業後、青空のもとでみんなで乾杯、プチ宴会

りんごを食べ放題しながら、リンゴ酢の仕込み体験

 

こうしたブランドとお客様とのつながりをリアルでも持つことで、売上の大半を個人のお客様が創出。高利益体質になるだけでなく、10年以上もリピート買いしてくれるコアのお客様とつなりつづけられる。

ブランドのこだわりがあるからこそ、風呂敷を広げすぎないからこそできるカスタマージャーニーである

 

3)ビジョン:社会性・経済性を両立する

自社の商品の独占販売を考えず、商品に社会性を持つことがいかに大事かを飯尾氏は説明していました。

例えば、高すぎる日本の食料排気量。野菜の廃棄率をお酢で救うという考えのもとピクルス専用のお酢を開発。

商品が人気になると大手が模倣して参入してきます。ただここでNOといわないのが飯尾流。

 

一つの醸造所ではリーチできない、巨大な流通網に乗って多くの生活者にピクルス用のお酢を大手の力で届けることで、

野菜の食料廃棄率を下げるという社会課題には、貢献できていると捉えます。

それができるのが商品に、お酢で食料廃棄率を少しでも解決したい、という社会的なメッセージがあるからこそできた判断。

 

小さくても強く、愛着・共感・信頼のつながりを大切にした、テクニックよりも情熱を大事にした経営こそが、

広告宣伝費ゼロ、ビジョンと体験から生まれるファンコミュニティへとつながっていったのです。

 

富士酢醸造元 飯尾醸造公式HP

https://www.iio-jozo.co.jp/

☆ファンタを事例にした、ティーン世代をターゲットとしたSNS活用マーケティングのセッションもまとめました

ティーンに愛されるブランドづくり × ソーシャルメディア活用 インターネットマーケティングフォーラム 2019 – 行けなかった人のための人気セッションレポ –

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