ティーンに愛されるブランドづくり × ソーシャルメディア活用 インターネットマーケティングフォーラム 2019 – 行けなかった人のための人気セッションレポ –

宣伝会議 インターネットマーケティングフォーラム 2019

前回は小さいけど強いをモットーにした、飯尾醸造のブランディングセッションをまとめました。

[インタネットマーケティングフォーラム2019] 飯尾醸造 広告宣伝費ゼロ、ビジョンと体験から生まれるファンコミュニティ

今回は、真逆に飲料業界最大手の日本コカ・コーラ × 博報堂 による、ティーンをターゲットとしたデジタルマーケティングセッションのレポです。

 

インスタとTikTokを活用したファンタ坂学園の裏側はこうなっていました!

 

・・・・・・ 宣伝会議公式サイトより引用・・・・・・・・・・・

ティーンに愛されるブランドづくり×ソーシャルメディアを活用したアプローチ

~『ファンタ』のInstagram/TikTok活用事例をもとに~

https://www.event-forum.jp/sendenkaigi/net-mc/2019/seminar.asp

 

田村 恵理奈 氏

日本コカ・コーラ株式会社

マーケティング本部 IMCコンテントエクセレンス マネージャー

 

櫛田 直希 氏

株式会社博報堂

第二クリエイティブ局所属 アクティベーションディレクター

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

※長いので以下ソーシャルメディア=SNSとします

 

<忙しい人向けの5行まとめ>

ティーンの売り上げを上げるためには絆づくりが重要で、そのプラットフォームはSNSを横断的に使うのが有効

3つの重要ポイント

①    「写真映え」ではなく「動画映え」を意識した仲間と遊べるコンテンツ作り

②    商品を使った遊び方の訴求は長編コンテンツをスポット露出ではなく、短編コンテンツ(隙間時間コンテンツ)を長期露出するのがカギ

③    一つのSNSに限定せず、SNS横断型の企画にする 例:Instagram⇔TikTok

 

<セッションレポ>

ティーン向けにターゲットを絞ったファンタのブランドづくりとソーシャルメディア活用の事例を、

前半:日本コカ・コーラ株式会社の田村氏によるファンタのブランドポジション

後半:博報堂の櫛田氏によるSNS活用

という構成でプレゼンされていました。

 

<ファンタのブランドポジション>

ファンタは2000年代よりターゲット層を大人向け→ティーン向けへターゲットを変更

 

2000年代は “抑圧からの解放” というのをテーマに、学校や周りの大人からの抑圧、プレッシャーを発散したい!というティーンのニーズをとらえた。

ファンタ学園の名物先生シリーズで、そうだったらいいのにな~の替え歌に合わせたキャンペーン展開

参考:ファンタ学園 名物先生シリーズ CM集

2019年に入り、当時のテーマを現代にアップデートして訴求を開始。

その時に行ったのが、現代のティーンってどんな傾向なのかという「イマドキティーン分析」

 

イマドキティーン分析で分かったFACTは2つ

 

FACT1:学校生活のウェイトが増えており、学校生活・学校行事を充実させるモノ・コトを求めている

FACT2:SNSは学校生活の延長。情報収集ではなく居場所。Always on の状態(女子高生の1日のスマホ使用時間は6時間)

 

つまり現代のティーンは、みんなで楽しめるコトへの消費に関心があり、コンテンツを消費するだけでなく、自分たちでカスタマイズして楽しいことを自分たちでどんどん作りだすパワーを持っている

そこであえてコンテンツをがちがちに固めるのではなく、ティーンが関与できる余白を残しながらコンテンツを作成した

 

ファンタのブランドポジショニングも「飲料を提供するブランド」から「遊びを提案するブランド」へと2019年にアップデート

 

Pack Play Bottle という変顔ボトルを作成し、パッケージを使って仲間と楽しく盛り上がれることを狙ったキャンペーンをローンチ

参考:ファンタ ハジける変顔ボトル

https://www.fanta.jp/campaign/hengao/

 

ただ変顔ボトルを作るのではなく、それをつかって遊べるように重視したポイントは3つ

①    Play Speed:説明不要ですぐに遊べる

②    Seasonality: 4月という新学年シーズンで、新しく出会った友達と仲良くなるきっかけづくり

③    Movie genic:動画映え(日常のカジュアルな発信は動画がメインというティーンの特性をふまえて)

<遊び方提案型キャンペーンのSNS活用>

SNSの活用で意識したのは

・あえて作りこまれていない動画コンテンツ→リアルな日常を想起させる

・SNSを絞らず、横断的に活用

 

2019年からのキャンペーンはファンタ坂学園として乃木坂46とタイアップ

 

アイドルタイアップの場合、商品よりも「乃木坂46」色が強くなりすぎてしまうことが多い

乃木坂のコンテンツではなく、ファンタ坂学園の“日常” としてファンタを訴求するために、専用のInstagram @fantazaka_gakuenはあえてコンテンツを作りこみすぎないようにした。

 

特にインスタのストーリーズでは、いかにも友達が投稿してそうな、簡単な編集、キャプションだけをいれたストーリーズを作成

一本の長尺のムービーでBuzzを狙うのではなく、友達といる学校時間帯を狙い40日間にわたりコンテンツを細分化して投稿

 

参考:ファンタ坂学園 (@fantazaka_gakuen)

https://www.instagram.com/fantazaka_gakuen/

 

そうすることで公式インスタも友達のインスタをフォローしているような感覚になり、また投稿が細分化されて長期ポストされるため、一本動画や投稿を見逃してもついていける

 

また、ティーンを取り巻くSNSの使用が細分化されていることを踏まえ、SNSを一つに絞らず横断的に実施

具体的に行ったのがインスタとTikTokの横断

インスタではTikTokを練習している様子などをアップし、TikTokではファンタのオリジナルソングによる振り付けソング「ファンタ変顔チャレンジ」を提供

ファンタがないと参加できないのではなく、ファンタがあると“より”楽しくなる、構成にし余白を残すことで、自分たちでカスタマイズするのが得意な世代のco-creationを刺激

 

<ティーンに愛されるブランドとソーシャルコンテンツの作り方まとめ>

✓ブランドが果たす役割を明確にし、ブレずに、そしてしなやかに

✓ティーンのクリエイティビティを発揮できるような co-creation型のコンテンツ

✓コンテンツは作りこみすぎずティーンが関与できる余白を残す

 

CMを受け身的にみている時代から、コンテンツをカスタマイズし、消費し、共有する世代に合わせた秀逸なキャンペーンでした!

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