何度も読みたくなる|【話すことを話す】 キム・ハナ著

女ふたり、暮らしています。』の共著でもあるキム・ハナ氏の本『話すことを話す』は気づいたら何度も手に取っている一冊。その時の自分のマインドによって、ぴったりはまる部分が見つかるのがこの本の魅力だ。

最近読み直してぐっと来たポイントは「この人はどんな世界をもっているんだろうか」という考え方。どんな人だろうとか、どんなキャラだろうではなく、どんな世界を持っている人という表現が素敵で気に入っている。そして最近は「苦手かも・・」と思う人に会ってもマンダラのように心の中で唱えがち。

知らない人と会うと、「この人はどんな世界を持っているだろうか」と好奇心を抱くようになり、その人が私と違えば違うほど、「あんなふうにもできるんだな」と思えて壁がなくなり、自分の世界が広がる気がした。

キム・ハナ著 『話すことを話す』 p.47

話すことについて書いてある本は多数あるが、この本はプレゼンテクニックについてではなく、話すときにどんな心持で、何を考えているか、と話すことに対するスタンスを書いている本。

この本が話し方を主題とする他の本と違うのは、説教じみていないところとネガティブエピソードが少ないということ。

説教じみていない

スキル本にありがちなのが「これをやらないとあなたは損する」というスタンス。行動を変える動機付けにはいいんだけど、アドバイスが多すぎると説教じみてきてお腹いっぱいになりがち。

しかしこの本は新しいスキルの習得や、一歩を踏み出すことのワクワクが書かれている。トムソーヤのペンキ塗りの例えのエピソードがあるがこの本自体もトムソーヤ的。新しいスキルを習得することを楽しそうに書いているから読んでる方もやってみようと思える。系統は全然違うがテレビプロデューサーの佐久間信行の『ずるい仕事術』でも似たようなことを言っていて、楽しそうに仕事をするを最強の武器・アピールにすると書いてある。この本も軽く読めて前向きになるからオススメ。

ネガティブエピソードが少ない

何かを勧める際に、「私は○○なマイナスことがあった、だからxxすることで乗り越えた」というネガティブエピソードから、特定のスキルやアティチュードの重要性を語るのが一般的な文章の書き方。例えばなぜ自己アピールすべきかを語る上で、男性が優位な仕組みになっている例をあげ、だから立ち上がらなければいけない。というのはよくある論法だが、時に具体例で気が重くなってしまう

(共感センサーが敏感なので、誰かの悲しいエピソードを聞くと自分のことのように感じちゃうのもあるが。)

または困難を突破した後の突き抜け感がすごすぎると、突き放されたように感じてしまう。でもこの本はネガティブエピソードはあくまで導入として簡潔に書いてあり、困難を突破した後の成功体験もほどほどで留まっているので読者を置いてかない。

まとめ

この本は全体を通して「やってみなよ!」と片手でポンと肩を押してくれるような書き方で、自分から「やらなきゃ」「やってみようかな」と思わせてくれるので読後感もスッキリ軽い。また筆者がコピーライター出身のため、親しみやすい文章とフレーズが心に残りやすい。寄り添いつつも、前に踏み出すことを後押しするシスターフッドが滲み出ており、そしてちゃんとタメにもなる一冊。あとイラストが可愛いし、筆者にとても似ているので興味がある人は調べてみて。

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キム・ハナ氏についてもっと知りたいという人は「女ふたり、暮らしています。」もオススメ。こちらはエッセイ。

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